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生活に芸術を

  声楽って一応クラシックの分野なんだから、「練習」ってしないといけなくて、その練習量については、全クラシック界でダントツに少なくていいのは「指」がないからで、例えば弦とかピアノであれば一日中練習している。

で、一昨年かピアノの伴奏者の結婚式に行った時、彼女の大学時代の先生が、「大学時代、彼女がケーキ作りをすると聞いて驚いた話」をしていたが、つまり、ケーキ作りなどという時間のかかるものをピアノ科の生徒がするということにびっくりした、ということなんだけど、そうやって楽器の人々はケーキも作らず、パチンコもやらず、タバコも吸わず、酒もあまり飲まず、ショッピングなども行かず、男女交際もせずひたすら練習しているのである(あんまり日に当たってないので色白)音大に近くの喫茶店は潰れるというのは有名な話だが、私ですら在学中に飲みに行ったのは実技試験の後だけである。

 いや、ピアニストの誰々さんはゴルフにたびたび行ってますよ、だのそういう話はある。それは「才能のあるもの」だからである。

そんなのは平等に出来てるわけないじゃん、それはなんでもそう。

東大に入る子はそれほど勉強していない。一回見れば理解するような人が多いからである。

でもバカでも東大に入りたいとか、才能なくてもクラシックがやりたいとおもったら莫大な人生の時間を提供する以外ないのである。

かわいそうだと思うのは、私程度の才能の子供は叩かれたり叱られたりしないととてもピアノなど弾けるようにならないと思うが(母は勉強しろ、とは言わなかったが、なぜかピアノにはうるさく、練習しないかどで裁縫用の1メートルくらいある物差しで叩きのめされていたが)今はそういうのは虐待だから親も気を遣って「練習したかったらしましょうね」などという感じだし、「好きなことやればいい」主義なので、そしてほとんど9割くらいの人間は楽器演奏など向いていないので(相変わらずの1割は言われなくてもできるし、その中の少しはとてつもなく上手くなる)弾けなくなるだけです。

 まあそれはそれでいいし、そんななんでもできる必要なんかないじゃん。と言ってしまえばそうだわ。

例えば私。才能ないにしても、時間をかけ課金してなんとか音楽で食っているが、毎日は練習時間の確保の戦いです。嫌いなことではないからいいといえばいいが、もうこうなると他のことも何もしてないので、好きか嫌いかわからない。他にできることがないというのが最大の原動力である。

 そんなことしてないで、旅行行ったり美味しいもの食べに行ったり楽しいもの見に行ったり人生は一回よ、というような甘言ももう聞く気もないのである。音楽でお腹いっぱい。

 音楽は金がかかるだの色々言われるが、こうやって一生遊べる(上に私は仕事にもなった)おもちゃを手に入れたとしたら安いものではないか。

 生徒にもっと練習しましょう!と言ったりするが、してくる人はすでにもうそんなにしなくても、というくらいにしてくるし、しない人は一日5分でも出来ない。もうこれはくっきり別れてしまう。

 「生活」以外に何もしません(「仕事」も生活だとして)という人はおり、そういう生き方なんだろう。毎日やったら結構上手くなりそうなのになー、というのが惜しい人もいるが、全部はバランスの中で破綻しないように注力しているようなので、あまり言わない。

 バランスなんか崩してしまえ!生きてるとは「生活」の奴隷になることではない!などというのは「変」なのであるから。

 この「頑張らない人々」のおかげでもしかすると人類は救われているのかも知れず、こういう人々は偏ったイデオロギーを持たないし、めんどくさいことは「体が拒否」するから。

 でも私は「努力の人」なので、レッスンでは毎日練習です!と多分その人の親よりうるさく言ってるかもしれない。

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土建屋:やっとお出まし叶いました。

先生:もう最近は御社の建物ばかりですね。どんどん行政と組んでプロジェクトを立ち上げているようですが、例えば汚い飲み屋街を駆逐して綺麗で立派な街にするのはいいことなのでしょうが、耐震、防火、防犯あらゆる面で、あるいは収益、でもそういう資本主義から外れるものたちをもう一度取り上げようという(大きくいってリサイクル)の時代になっていくと思うのです、むしろ時代遅れになってませんか?御社は。

土建屋:いきなりカウンターパンチですね。まあもう私は何年かで定年ですし、同じ会社で65まで雇用してもらいますが、学歴が悪いので、そんな中央の華々しいポジションにおりませんで、何も知らないのです。

先生:戦後、戦争犯罪だと言って日本軍は責められましたが、父も志願して海軍に行きましたが、3つ穴掘る訓練だけで終戦です。そういう人もいるということですね。

土建屋:3つ穴掘っただけということもないですが・・。

先生:建て替えは頓挫してほしいですが、このままだと下手なうたを練習してるだけの人生になってしまうので、そういう「革命」が起きてほしいと思わなくもないのが人間の面白いところです。今の生活は守りたいが、誰か引っ張ってくれる人がいるなら他の生活に移行してみたい、というような。

土建屋:そうなんですか?

先生:誰でもそうだと思いますよ。満足というのは退屈を孕んでいる。退屈こそ発展と破壊の原動力です。

土建屋:先生の話は大きくて、何が焦点だかよくわからない時がありますね。ネット会社の北島さんにも指摘されているようですが、こんな鼎談してる暇があったら、発表会の楽しい写真でも載せた方がずっと宣伝効果があるのではと思ってしまいます。

先生:このブログを楽しみにしてくれるのかどうかで結構練習できるかにも関わってくるので、書いているのですが、こういう変な話を面白がって読んでくれる人は練習できる人だと言えると思います。

土建屋:そうなんですか?

先生:大体そうです。

土建屋:でも私なんかも仕事以外それほど注力できる時間もお金もないので、やはりクラシックの趣味など無理でしょうね。

先生:そこの隙間を使ってもらうと、生活はガラッと変わります。そういうことのうまい先生だと私は思っていて、5分でできる練習!なども編み出しています。1日5分もない人はいないでしょう。

土建屋:そうなんですけどね。ついネット見ちゃったり。

先生:先週、練習してこない生徒に(結構練習したら上手くなると思う)そんなに時間ないのかと聞いたら(主婦)ゲームしてる、って言うんです。新鮮だったなあ。ゲームに時間使う人は流石に当教室にはあまりこないもので、初めて聞いた話です。

土建屋:みんなやってますよ。

先生:それはいかにも無駄な感じだからパチンコにしよう、とアドヴァイスしました。

土建屋:は?

先生:パチンコはパチプロというものになれることもあるし、探求する価値があると思ったものですから。麻雀とか。

土建屋:賭け麻雀は違法です。

先生:そうでしたね。でもパチプロになるくらいの「根性」があるなら声楽など簡単なものです。

土建屋:なんでも追求する人じゃないとできないということですか。

先生:「やる気にさせます!」というのがこういう零細教室の大事なところです。私は誰でも声楽的に歌えるようにできると流石にここまで教えてきて思っているものですが、練習できない(場所がない、時間がない)というお悩みは大体は場所を探すのがめんどくさい、時間を作るのがめんどくさい、と言い換えられるので、そこモチベーションを上げてもらうのが「仕事」と言ってもいいのです。会社の帰りに毎日「練習」してプロになった人もいますが、それは「毎日」なのですよ。

土建屋:毎日やってることって歯磨きとかご飯食べるとかのレベルですか?

先生:そうです。そこに声楽を入れてください。5分くらいなら苦情も来ません。

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昨日の声と今日の声は違うけど、何か同じところもあり、それはつながっているがそれは「練習」しているからわかることなのです。継続することによって始まる物語のようなものがあり、思いもよらないような出来事も継続の中で起こり、それは続いていると信じている「生活」より強固なものになっていく。

生活は恒常性の維持を目指すのに対して練習は芸術の向上を目指しているのですからね。

セイカツにゲイジュツを!

 

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