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ピアノが弾けるとは

 亀戸で書いてる

ピアノの先生が亀戸にお住まいなので、月に1回は来る亀戸。

今日はバッハの3声の扱いについて結構踏み込んだレッスンで、私は外声を聞けないのだなとよくわかる。あとメンデルスゾーンという私にしては珍しい挑戦なのだが、本を見ると「厳格なるバリエーション」は結構やってあるような書き込みである。聞いたこともない曲だが。

 ピアノのことは色々書きたいこともたくさんあり、もう昔(昭和60年代ごろ)のピアノブームは去り、でも俄然習い事ではピアノをやらせているご家庭は多い。とにかく一つだけ言いたいが

ピアノを「弾きたい」のならピアノを買おう

電気のを買って練習してもピアノは弾けるようにはならないです。いじれるようにはなるかもしれないが。

いじると弾くは違うので、その辺はよく考えたほうがいいです。

いじる、というのはコードが弾けたり、バンドでアンサンブルができたりとそれはそれで楽しいので、それなら初めからジャズ系、ポップス系の先生についた方がいいです。ヤマハで習ってもいいと思う。コードは必ず「一転」と決まってるが、上手くなったらいろんなこと教えてくれるのかもしれないし、自分で学べばいいし。

弾く、というのはピアノ曲を弾くということで、でもそれは根気のいる努力の割にはあまり甲斐のない話で、私の頃もブームでみんな習ってたけど、結局弾けるようになった人はあまりいないのである。

それなら電気で、というのもわかる。なんとなくキーボードをサラッと弾けて、音が取れて、なんてことなら電気でできる。でも「弾く」ことには絶対ならない。

さらにいうならグランドピアノで練習したほうがはるかに上手くなる。打鍵が違う。でもそんなこと言うと、そらスタインウエイで練習した方がいいし、でも「才能」なかったらどうしてくれるのそのでかい楽器は!と言うことになるし。

昔の先生は意地悪だし厳しいし、そして親も、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、マイカー、マイホーム、そこまで揃えて、さてその次は「文化!!」と力が入っているから毎日練習したかだの、お隣の下の子はあんたよりバイエルは先をやってるだの、発表会でまだ一年もやってない子が「お人形の夢と目覚め」を弾いただのうるさく干渉してくるので、いやいや練習するしかなかったのである。

でも私程度の才能のないものがピアノを弾くと言うことが曲がりなりにも出来るようになったのもその親の頓珍漢な虐待もどきのしごきがあったからだとしか言いようがない。

そういう無体な体罰に近い訓練はさせない方針になれば、ピアノは条件の揃った子しか弾けないだろう(お家に音楽的環境がある、いい先生につけられる、練習を見守れる親がいる、真面目に言われたことを守れる才能がある、もちろん電気じゃない、元々才能があるなど)

ショパンコンクールにはファイナルに2人も入賞する日本である。上層部のピアノが下手になったわけではなく、弾ける人と弾けない人に別れただけで、ここでもやはり階層の分断が。

いいんですよ、みんながピアノなんか弾けなくても。でも私ごときが今でもピアノが弾ける(と書いて亀戸の先生はブログ読んでないよな?と確かめたい気持ち)のは親のしごきと、小学校3年から6年までを厳しい先生について泣かされてたからだ。才能のないものは必ずピアノの練習は嫌いなのだ。それと子にピアノ弾かせたい割に家庭内に音楽はないのである。聞いて憧れて弾く、という順番があると思うので、お願いだからクラシックを聞かせてほしい。クラシック音楽は内容が重厚なので一回聴いたくらいではよくわからないから、それこそ内声が聞こえてくるくらいまでに徹底的に聞いてほしい。

そしてそんな徹底して聞いてた割には外声が内声とごちゃ混ぜのバッハしか弾けない私であるが、ま、ここまでかなあ(しみじみ)

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土建屋:珍しく音楽の話ですね。

先生:ネット会社が、ご好意で検索順位が上がるワードを入れてブログを書いてくれていますが、読むとびっくりするくらいつまらないですが、やめてもらってもいいけどその「検索ワード」と言うのがよくわからないので、急に検索順位が下がるのも嫌なので、自分でも少し取り入れようとしてます。ピアノとか合唱とかそう言うのをいっぱい語った方が良いらしいんですよ。今日はピアノについて語ったからいいかな。

土建屋:もうすでに先生のブログを読んで音楽を始めよう!などという温かい気持ちになる人などあまりいないと思いますが。

先生:なんとか「音楽」に対する「誤解」を解きたいと言うような気持ちは強く働いてると思うんですが。音楽はいいものではあるんですが、なんかフワッとピアノ弾くとか歌を歌うとか、そう言うのは聴く側の想像でしかなく、やる側はもっとフィジカルでパワーがいるもので、サーカスです。

土建屋:そうかもしれませんよね。宝塚みたいなものかな。夢売る為に内部ではどれだけ努力してるか、とか?

先生:宝塚ならまだ綺麗さとか華やかさとか動きの素晴らしさとか色々素晴らしい価値観と繋がってていいけど、クラシック音楽って古典派以降のものは個人(作曲者)の観念だか怨念を発信することの追求が多く、毒でしかないような音楽は多いですが、それが「良く」なっちゃうともうさかしまな感性しか持ちえなくなっちゃう、毒にどっぷり浸かっていたいような。そう言う没入の仕方を一回くらいはしてほしいと思います。

土建屋:うーん、そこまでやらないとダメなんですかね。生活に支障をきたすようでうかうかと手を出せないなあ。

先生:ほとんどの人にとってそこまで行かないで「引き返して」いるようなので、でも毒にも薬にもならないってつまらなくないですか?

土建屋:いいですいいです、私は家族もあって忙しいですから。

先生:私も家族、特に子どもできてから何にも凝らない時間が増えました。むしろ何か「没入」がないと家庭運営は辛いものがありますが、それも「推し」程度にしておかないとやはり子らは育ちません。家庭ってバランスだから。それで子が「終わったかな」家族も「解散」かな、と言うあたりでまた何かに凝ってみようとするものの、今度はこちらの気力と体力とが衰えていて、前ほどのめり込めないと言うようなことは多い。年取って減るのはコンドロイチンだけでなく、あらゆるものへの興味が若い時の半分以下という感じがしますね。

土建屋:まあそれで老後、なんでしょう。年金もあんまり出ないし、その先も何かしていかなくてはならないのは辛いだろうな。新しい仕事なんかもう覚えられないですよ。

先生:でも仕事していてください。会社辞めたあとでもです。お金のためじゃなく、と人はよく言いますし、その方が綺麗に聞こえますが、いや、お金のために働きましょう。お金というのは「感謝」の仮身ですよ。人に感謝されるというのがやはり一番身に染みる幸せだと思います。

土建屋:先生からそんな「相田みつお」みたいなこと聞くとは思いませんでしたが、本当にそうですね。

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今年7月のイタリア・ベルカント・ツアーは満員になりました。また来年も7月に二週間開催予定です(一週間コースA、Bと二週間コースCを設ける予定)さすがにイタリアまで行くという行動は人を没入させるもので、一週間ですっかり「その声」にはまって帰ってきましたが、また忘れるでしょう。で、また行く。こういう緩やかな挑戦を終生して、なんとか「真実」に辿り着こうと。若い時と違って突き詰める能力もないし、挫折する能力もまたない。諦めないんじゃなく、諦めに手をついて戻ってくるというような。

 

 

 

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