発表会も無事終わり。
すみだトリフォニーホールは響きのいいホールなので、少しでも頭声に入っていれば「うまげ」に聞こえる。少なくとも教室で聞いているより何割かよく聞こえるし、これでいいのかもしれない。
この先は背中を開けるとかそういう体の作業をやっていくと、文京シビック小ホールのような音響の悪いホールでも後ろまで聞こえるようになると思う。目指せ文京シビック!いや、そういうことではないと思うが、文京シビックも今年中には改装工事が終わるそうなので、少しはマシなホールに生まれ変わったなら結構です。
母の相続の件で、戸籍が必要で、文京区、新宿区、荒川区、などに行きましたが、圧倒的に感じが悪いのが文京区。ホールもしかりで、これは上から下まで「感じ悪く振る舞うように」という方針があるに違いない。
でも、親切にされるより、「ちっ!」と思う分アドレナリン出るし、なんでこんな感じ悪くされるんだろう?と思えば、そもそも区役所等地方末端行政はどうなっているのだろう?共産主義体制の基本「仕事の余剰部分を出さない」とは具現化するとこういうことなのか、などと頭も使う。なんでも無駄はないのである。
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今日はピアノレッスンに行ったが、そうだよなあ、ほんとロマン派のものなど数えるくらいしか弾いていないから、シューマンの基本態度がよくわかっていない、ということがよくわかった。メロディーはあくまでもどこまでもうたわせる態度は、私には大変欠落している部分なので、もうあらゆる場面で年寄りなんだから「ツンデレ」なんかしている場合かよ。次回ピアノフォルテの会はべったりうたうシューマンをぜひお聴きください。
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北海道の海で船が沈んだニュースを聞いていて、その土下座する運行会社社長はまさに上の子が通ってた保育園の園長にそっくりだった。
顔がというか全部がで、あのパカパカするメガネも同じ。ここまで似ているということはどこか中身も似ているもので、そう、園長も保育や子供たちより「経営」「お金」に興味があった。
毎年運動会でやっている「たけのこ体操」を覚えていなく踊れない、保育園に届いた絵本をそっくりそのまま自宅に送っちゃったり、ピンク電話の金を横領してたり、夏場は屋上にある子供たちの入るプールで体洗ってから帰ってたり、「すごい話」はイトマがないが、うちの子は3歳から入ったんだが、面接などもきちんとやって入ったのに1年間「男の子」だと思ってたりとか。
しかしここの保母さんたちは涙が出るほど優秀で、一人一人の子供をもうそれは「哲学的」というレベルで見ていて、帰りに今日の出来事など聞くと一編の詩のようだったりで、自分の子を「立体的に」見られるようになる、俄然子育ては楽しくなった。運動会のお遊戯を子供の動きに合わせて作りたいので、私は毎年借り出され、そのあまりに難しい要求に応えて曲を作ってピアノで演奏したのをテープに取ったが、その議論は夜11時を超えたりした。妥協しないのである。「あのこはスキップうまくないからそのテンポはダメ」だの。
当然ながらここの保母たちと園長はいつも歪みあっており、時に大喧嘩をするのであった。保護者からは「子供の前で喧嘩しないでほしい」などという声があったが、私はナンセンスだと思った。子供は天使ではない。喧嘩の理由を教えてあげればいいのだ。良いものになるには必ず喧嘩が必要なんだよ、という理解は後に弁証法などを理解する助けになるかもしれないではないか。
間に入るPTAの立場に最後の一年なってたが、それはそれは大変であった。しかしこの時のPTA5役、というのが楽しくてしょうがなかった。みんな働くママたちで、「今日は5役の会議」とか言って湯島界隈でしばしば飲み倒していたのだが(みんなよく飲める)私は当時仕事もしないで「休職中」と言う申請で入園してた(3歳からは空いていたのでいいだろうと思った)働くママたちはなんてかっこいいんだろうと思ったものだ。後に5役でどうしても園長とぶつかる場面が何度も出てきたが、そうするとうちの子は園長から区役所にチクられて保育が切られそうになった。あんなに私の「働き方」を新しいだの絶賛してたのに。
やっている内容より政治や経営や金が好きになる人はどの分野にもいる。声楽界にもいる。きっとどの分野にもいることだろう。大概「誰々と知り合い」と言いたがり、「銀座」が好き。
周りが優秀にフォローするしかないんだろうね。こう言う人物は「やっている内容」に興味がない分暇なので、その位置を固めることに専心できるし、たいてい共感性が薄いから傷つかない。
5役でやり合ってた時、机叩いて講義したら、「俺の机を叩くな!」怒鳴っていたが、あんたの机じゃないよ、保育園の机だよ。彼の「悪事」を相当知っていた上智大の神学科卒の副園長は体壊してやめてしまったし。
神は強い体と精神を何故かこういう園長的人物に与え給うね。