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石原慎太郎

 喉痛だったり熱だったりでお休みが多く、自分ならまだしも、同居家族がということもあり、もうこれは本当に非常事態!重体の人はあまりいないらしいが、とにかく広く浅く風邪が蔓延、こんなことは4年に一度のオリンピックより、5年に一度のショパンコンクールより一生に来ない事態だろうから、大いに楽しむ、というと語弊があるが、途方もない日常が延々と続くことに比べれば、少なくともアフターがあるというだけでもまし。

 そうは思いませんか?

主婦が辛いのはアフターがないからです。延々と辛くも楽しくもやりがいも賞賛も苦痛もない日常が続く、そんなくらいなら嫌なことでもあった方がいい。そう思ってうたを始めたわけです。しかしこれにはもっとアフターがない。もう一生付き合っていく病気みたいになってしまったわけです。

 石原慎太郎が亡くなった。

別に特にファンだったわけではないのだが、すごい葉山の豪邸で人生語っちゃってる映像見てたら、ああ、もうこういう人は出てこないだろう、恐ろしい時代錯誤人物だが、ちょっと自分の父親を思い出した。

 昔の小説、というものがそれも事情がわかり過ぎてしまう日本文学がほとんど読まれていないのは、こういう男尊女卑的な人物が「文豪」だった事情が大きいと思う。 その辺の事情を詳しく書いている斎藤美奈子「妊娠小説」は卓越した著作。案外男としてどうなのよ、だった太宰治だけが今でも売れている。読めないよー、例えば川端康成、谷崎、女をなんだと思ってるんだろう?失礼にも程があるが、もう今ではお笑いでしかない。

 そうするとやはり最近の著作というものも「消費」に過ぎない同項多数なのだろうか。ペーパーバックというか。

 子どものおむつ替えは一回もしたことがないと見た。ゴミ捨てしかり、掃除機もかけてないな。要するにその辺のことは下女に任す。夏目漱石の時代なら、階級差を使って安く下女が雇えたようだが、その後はそれは「主婦」の仕事になり、それを私たち女は嬉々として(たかだか3食食べさせてもらったくらいで)愛、などという言辞を半ば信じ、いや、女だって馬鹿ではないのだよ、そうして家にいたほうが結果長生き。

 「本当のこと」なんか言ったがために寒い外出て働く羽目になって、結果おむつは替えてくれるかも、ゴミ捨てもやってくれるかもだが、なんだか男気のない情けない男どもにいらいらしなくてはならない。

女っていつも「生き方」を考えているようなところがあり、じゃ一生男に頼らず1人で生きていく、というのも特に目指したくないなあ。上野千鶴子に煽られてはいけない。フツウの女は45過ぎればもうバリバリ働く仕様にはなっていない。老年になって、誰とも囲まない食卓で1人医者に出された薬数種類と水を用意してボソボソ食事をするなんて絵として哀しすぎる。

 私は「真実」を言い散らかしているうちに、とうとう男を養う女になったが、これがやりたかったわけでもないが、まあ今までの中では一番しっくりくるかもしれない。

もう絶対醤油すら運ばない。

 まあまあ、性差などで人を差別してはいけない、ということになっている昨今、差別もダメなんだから「利用」もダメだよ、ということだよね。既得権益を排除するのはどんな場面でも痛みを伴う構造改革である。

 もう石原慎太郎の小説が読まれることもないのだろうが。トンチンカンで滑稽で愛すべき実は種としては弱い「男」というものを思いあがらせ別種の生き物に仕立て上げてしまったのも我ら女なんだろうな。

 あんたね、女なんか働いたって、破れたストッキングが増えるだけなのよ、男って絶対偉くなるんだから家で静かにしてなさい、と私の母は言ってたものだが。

 「偉く」ならない男もいる。男を決して「偉く」しなかったとも言えるし、その「偉さ」利用をしなかったとも言えるし、「偉い」男に相手にされなかったとも言えるし。そのいろいろな「言い方」の分だけ女の生き方があるんだろうね。

 

 

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