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うたが苦手だと思っているあなたへ

大掃除がほぼ終わった。

師匠の前澤先生に「うたよりうまーい」と言わせしめた私の掃除である。人は得意なことは率先してやる。不得意なことはやらないものだが、まだ学生の頃は親や先生に小突かれてそれでも少しは苦手なこともやっていたような気がするが大人になればそれはやらない。断固やらない。

 私の苦手なことは色々あるが、学生の時にダメな上にもダメでみんなに絶賛されていたのは算数とうたである。

 衆目一致するダメダメなこの2点をうたはともかく、算数は受験科目にもあるし、なんとかしようと当時塾を経営していて、できない子をなんとかするで売ってた兄すらお手上げであった。

 「つまづいた」と初めに気がついたのは植木算であった。杭が4本間は3つ、というやつである。4引く1で式が表せますね。というその1につまずいた。

その「1」は何?と考えると恐ろしくなった。それは杭でも間でもないんですよ。どこから1?

 でもそんな哲学的なこと以外に小4にもなるとわからないことだらけになった。大体今でも私は7足す5は手を使う。

 息子が小学校2年の時に風呂で算数の問題を出していて、とっくに抜かされてることに気がついた。

 この算数できない自慢は枚挙にいとまないが、一方のうたもそれは算数よりもっと早く、ピアノの先生から「美代子ちゃんは音痴かな?」という感じで知らされた。その後どの先生についてもソルフェは音が取れないので「あああ」という感じだったし、今思えばだれもうたなど上手くなかったのだが、家族は皆自分はうたがうまいと思い込んでいる人たちで、美代子って音痴だよなあ〜と嬉しそうに言うし。そんなもんかと思ってた。前出の兄は特にうた自慢で「赤いサラファン」をうまそうにずり上げずり下げながらうたってたが、子供心にあまり良いとは思わなかったが、自分は音痴なのでそんなこと言う資格はないのかと思ってた。

 中学に入ると合唱大会のようなものがあったが、私は昔から合唱が嫌いである。もう少し詳しく述べると合唱が好きな人が嫌いである。もっと突っ込んで考えるに、みんなでなんかやるのが苦手なのである。

 とか言って、合唱を2つ主催している身、ぜひ合唱にお越しください(宣伝)

ははは

 みんなでやるのが苦手な人とみんなとやらないとできない人にこの世の中は分かれるが、うたなんか一人でうたった方がいいと思うよ。パトリに音程が違うとか言われるの嫌じゃない?音程だけ合ってて下手くそなうたなどいくらでもある。

 しかしうたはみんなが考えているようなことでは全然ない。

赤ちゃんが泣いている、さっきもここ亀戸のコメダ珈琲で盛んに赤ちゃんが泣いていたが(なぜかお母さん、連れて帰らないんだ)迷惑なくらいにベルカントである。

 鼻腔共鳴をフルに使い腹式呼吸である。

 赤ちゃんの時泣いたことのない人以外は全員ベルカントでうたえると私は信じているが、そこの「呼び出し方」が「教える対象」になるんだと思う。

 その引き出し方が多分私はうまいのであるが、そしてうたは「苦手なこと」な部類に入るのでは?な人もたくさんやってくるが、ちょっとしたスイッチでうまくすることはできる、はず。

 レッスンはものマネなので(ピアノですらそうだ)今日も先生は(今日は自分のピアノのレッスン)こう弾くのよ、と尻で私をどかしお弾きになるが、それはもう何もかも違うのである。真似ようとしてももうピアノは単旋律じゃないし、どうにもならないが。うたはもっと簡単にできると思う。

 猫の鳴き真似とかカラスの鳴き真似などおすすめだが、そういうの出来にくい人というのはたくさんいる。羞恥心なのか、自分はせっかく人間なのになぜ動物の真似?などとプライドが高いのか、耳が悪いのかどれかだ。

いきなり「トスカ」などうたう前にぜひ試みてほしい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

土建屋:モノマネですね。いやいや不得意ですね私は。

先生:そんな気がします。真面目ですからね。

土建屋:真面目ってなんでしょうかね?

先生:未来永劫おんなじことの繰り返しを望む習性だと思います。

土建屋:冒険、しないなあ、つまらない人間だとは思いますが、そうすることでなんとか持ち家を持った私です。キャバクラ行ったりそういうことただの一回もしませんでしたからね。パチンコすらしませんよ。

先生:いえいえ、言葉が足りませんでした。未来永劫同じことを繰り返したいと望むのが「真面目」ではなく、それを他律的に行うことが「真面目」の実態です。カントは毎日全く同じ時間に同じところを通ったと言いますが、彼が他律的と言うこともないでしょう、言ってる内容がユニークすぎます。他律的に行ってしまう原因は弱い自己、故の気の弱さではないでしょうか。逆に水商売、ギャンブル、宗教なんかに他律的に通い常習になってしまっている人たちもそういう意味では「真面目」です。

土建屋:では自己が弱いから真面目になってしまうし、モノマネもできない、と言うことになるんですね。

先生:そうです。

土建屋:上のいうこと聞いとけば怒られないし、というような気持ちは常にありますね。

先生:「上」のいうこと聞いてるうちにとんでもないことになってませんか?貴社が建てたんでしたっけ、日本橋あたりの再開発の建物は。ああいうの考える「上」とは狂気の沙汰だと私は思いますが、それを真面目なみなさんが建ててしまって、ああいうの50年先に大規模修繕なり建て替えなりする財力が貴社および日本にあるのでしょうか?

土建屋:部署が違うのでわからないですね。

先生:まあこのマンションを20階建てにしてるくらい可愛いものに思えてきました。私は20年かけて「絶対誰でもうまくする教室」をなんとかここで打ち立ててきたのですが、場所を追われてどうしたものかですよ。こうなると原発事故で田畑ができなくなった人、成田で落花生作ってたのにどかされた人、などに共感します。金もらったらいいじゃん、ピーナッツ作ってるより楽で金になるんだから、というのは完全にやられちゃった脳みそですよ。自分の手にした能力をフル稼働して食べて行くに当たって、工夫や、忍耐や、発見にこそ神は宿るのです。でもこの末期資本主義期において「金があったら働かない」という発想はいつでもはまってしまう底なし沼です。そこから脱出するために私は嘘でも貧乏になりたかったんです。

土建屋:先生はどう頑張っても貧乏なんかになれないですよ。ここが建て替えになったらいい値段で売れるだろうし。

先生:その先に行きたいです。どんなに食うに困らなくともやってしまう「仕事」こそ、その人の仕事です。

土建屋:うちの引きこもりの息子なども、本当はそんな仕事が来るまで待ってるようなところがあるのかもしれないな。私が真面目に働いてきたの見て、面白くもない仕事を「上」のいいなりにやっていくなんてまっぴらだ、と思っているのかもしれません・・先生の息子さんなんかさぞ理想の仕事をおやりになっているんですか?

先生:「ファイア」目指して金貯めてますよ。まあ、子供は思うようにならないもんです。でも、何かを見つけるんだ!と言ってインドに行かれても困る。とりあえず「上」のいうことよく聞いて「真面目」にしていてほしいと思います。

土建屋:矛盾ですね。

先生:引きこもりの息子、ったってインドに修行とあまり変わらないですね、無産状態というか。でも何かのきっかけでその聖地から出ざるを得なくなる時が来るんでしょうね。土建屋さんが「真面目」に小金など貯めてると聖地からの脱出が長引くんでしょうから、ぜひ土建屋さんもキャバクラなど行って散財なさってはいかがでしょう?

土建屋:家内とも相談して検討してみます。

 

 

  

 

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