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サムラゴウチ

 冷凍食品に毒を混入した男、私はこういう「食品」を買ったことが恐らく1回もない。どこでどう採ったかわからない食品をサティアンみたいな建物の中でラインで作っていくという不気味さ、毒なんか入っていなくても精神的に「毒物」だろう。食べ物を食べるとは精神的行動だと思う。

 コンビニ弁当の気味悪さは桐野夏生「OUT」に詳しいが、チェーン店もそうだし、ファミレスもそうだし、いつからこんな事になったか考えるが、私の知っている近所の主婦仲間にこんな「毒」買っている人はあまりいないんじゃないかな、それは日本のどっかで「そればっかり」になっているんだろう、階層格差。

 「主婦」とは評価にさらされない「仕事」なので、どんな手抜きをしていようが、どんなまずいものを出していようがおとがめなしである。お父さんは遅いし、めんどくさい小言を言って嫌われたくないから、そういうことから逃げてるし。「親父の復権」などを言い立てる人はどんなか現状を知らないのだと思う。今や親父は家の中では「飼っているハムスター」より存在の薄い草食動物である。それはみんながそういう扱いをしているというより、ハムスター自身がハムスターでいると決めているようで、それ以上の扱いをして欲しくない・つまり好んでハムスター以下の扱いを受けたがっているようなのです。 そこに以下の問題も大いに関わっているのかもしれない。

「変わる家族 変わる食卓」岩村暢子 勁草社

 著者が社会学者でなくマーケティング会社の主催で、近年食品会社などのニーズで情報を収集している中からの帰納的言説。夕飯一つろくに作れない「主婦」(もうそこは社会学者じゃないから「主婦論争抜き」である。食事は主婦が作るもんだ(いや序文でそれは本意ではないといっているが全ての主語は「主婦」で語られる)舌鋒鋭く、与件の余地なしである。

タイトル「楽しくないのは家族じゃない」(上記著作の要約byホウツキ)

 母さんが夜なべをしてなんか作ってくれたり、あかぎれ作って糠味噌かき混ぜるとか(怖)子どもも重いじゃーん、食事なんか適当にしてデズニーランド行く、食費一ヶ月3万でやる自信あります、かえってコンビニで何か買ってきたほうが安いんですよ。子ども(8才・男児)も野菜とか嫌いだしーダンナはなんでも文句言わないし、理解あるから、あたし子育て忙しいじゃないですか?コンビニで自分の好きな物買ってきますよ、ダンナさんは、そばとか。そば好き、はは。朝ご飯?朝って食欲無い系だからうちら、あたし低血圧だし。あ、でも子どものお稽古とか考えてますよ、プールとか英会話とか、なんか楽器なんかも出来たらいいよね、ちょっと高いけどヤマハとか行ってますよ。絶対音感とか大事らしいですよ。いろいろなことやらせないと何が向いてるか解らないじゃないですか、勉強も中学くらいになったら大事だけど、そん時は塾もいくかもしれないけど、基本好きな事仕事にしてもらいたいんですよね、勉強勉強じゃなくて。でもグローバル化だから何やるとしても英語は大事でしょう?文法とかじゃなくて、生きた英語。それらの習い事の送り迎え忙しいんですよ、物騒でしょ一人じゃ。そこ、あたしは子ども「育成」とか行かすのやだし、母親働いてると習い事とか出来ないよね、そういうの嫌なんですよ、子どもがかわいそうじゃないですか。専業主婦っていろいろ言われちゃうけど、子ども小さいの一時だし、うーんと一緒にいてやりたいんですよ。だから週3回も習い事。サッカー教室も行ってるし(無料)でも全部送り迎え私やってます。そういう日はたいてい何にも作れませんね、作れてカレー?でもレトルトのほうが鍋汚れないし、野菜ごろごろしてないから子どもも食べてくれますしねー、あたしは毎日家事と子育てに疲れてるから、そんな日に不機嫌な顔見せるよりコンビニのおでんでも買ってきたほうが会話弾むし、なんか味決まんないんですよ、自分で作ると。作ったこと無いけどおでん。だんな遅いし、あ、でも家族やってますよ、休日の夜とかバーベキューとか、ダンナ学生の時たこ焼き屋のバイトしてたからたこ焼き作ったりしてくれて、うちたこ焼き器あるんですよ。結構盛りあがるしー。楽しいですよ家族、って感じで。

 すさまじい食卓が写真で登場するが、それは現代のオカルトである。悪気すらないと言うところで何に「立脚」しているかよくわかる。「楽しまなくちゃいけない」という強迫観念。冷凍食品なんか買うなよ、主婦は飯つくってなんぼ。小林カツヨたれ。それはだんなに任せてもだめ。男基本やる気ないから。どんなにビヨンド・ジェンダーを言い募っても100年立っても男は飯なんか作らないってほうに500円。

 うちのサムラゴウチも何にもしないが(昨日サムラゴウジごっこ(サングラスをかけて演技する)をしたらなんとししろーはもとより私も娘も似ていた、サムラゴウジズ)、そもそもやる気がない。だからといって別に仕事が出来るわけでもないが、「何にも出来ないよなあ俺」がかっこいいと思ったらもうサムラゴウチ。満場の拍手の中「そんな俺」は壇上に。

やめ!「そんな俺」が「それが俺」になったら「先」に進んじゃう。

 サムラゴウチ、N特半分も見ないでその胡散臭さは十分理解出来た。世間「作曲」という行為への誤解が面白かったが(作曲の初歩の「和声学」程度でもやると解るが、作曲で使うところはまるで数学の脳味噌である。ゆえに作曲をやる人は容姿で言えば東大の理科1などにいるタイプである(どうして理1かというと「生物」選択しないタイプ、と思うので)その上お家もよいことが多く、かなり「世間ずれ」している感じ。私などの凡庸な人から見ると宇宙人のようである。「あんな顔」「あんな生身」で作曲って無理)
 でも本人あの程度の曲なら書けるのかな、わざと狙ってやってると思ってた。今の「まとも」な作曲家は「マジ」には無調の曲しか書かない。やっぱゴーストの「仕事」だったわけね。それも「梅」くらいの。マーラーの失敗作かブルックナーの駄作を映画音楽に編曲した様な感じ。

 何にもしないでアイスクリームをなめるように「感動」が得られると思っているバカにいかにも受けそうな「一杯のいかかけそば」的構造、「B層」と適菜収が解析しているみなさんを相手にしないと「芸術」って短期的には売れない。

 しかしNHKの音楽番組の暴走は今に始まったことではない。私が最初に記憶するのは「フジコ・ヘミング」特集だが、ピアノは一応「弾けない」ということはないから、ゴーストというわけではないが、あのくらい弾ける人は日本国中たくさんいるが、あれだけの突飛な容姿、裸足でステージ立つとかね、いろいろな背景、どうして「背景」なんか「聞く」んだろう?今まで私たちはクラシックの音楽家といえば薔薇でもしょって立て巻きロールで登場するもんだと思っているから(それも「背景」だけど)そのミス・マッチで「受けた」んだろう。

 で、NHK一回受けると何匹でもそこからドジョウを釣ろうとする、というところに問題が(火曜10時って一回受けてからずっと昼ドラでもやらない程の不倫ドラマを流し続けているが、子らと見ると恥ずかしいではないか。偽悪的にすけべな事言い続けてしまう)あと教室にもたまにそこの「弟子」が来るが、某指揮者。怪しい宗教団体のような合唱を主催して檄を飛ばしてお布施を出させているようだが、感涙にむせびそれを払う弟子、とほほ、自己啓発セミナーというカテゴリかね、これもNHK震災がらみで放送してたが。

 「芸術」はいいからフクシマに甲状腺ガンの子どもが増えた(けどそれは原発爆発と関係あるとは言えないんだろ?)とかそういうことだけしつこく言い募っていてほしい。だめか、アベちゃんの家庭教師だった人がNHK理事だもんな(家庭教師つけてあんな大学)いいNHK特集も一杯あるけど、今更の三池炭坑の話とか。フクシマの検証番組とか。でもそんなことで頭きて「偏ってる」とアベちんは考えて「お友達理事」を呼んだんだろうね。

 でもそこはいいものと悪いもの区別つかない聴取者が悪い。ホテルの食品偽装も「良心」ないなあ、とは思うが、食べてわかんないならそれまでよ。うそつくなら死ぬまでだまして欲しかった。感動してスタンディング・オべーションしちゃった人はどうしたらいいんだ、その感動は!

 でもなんかすぐ「次」が見つかると思う。犬の動画とか?だめ?

 でも昨日久々にカラヤンで第9を聞いてみたが、これ出てきたとき既存のクラシックファンって嫌だったろうな、と思った。それは余りに濃い味付け、ベートーヴェンというよりカラヤン味。指揮してるとき誰も見ないって出来るもんなのか?ふつう目はつぶれない、現場監督なんだから。音楽の使用人ではなく俺の音楽、指揮してる俺、うわー、で小澤がいいかといえば、彼の音楽に対する真摯ですばらしい態度が演奏者の全てに行き渡っているのだろう、みんなが「鳴らしすぎ」で収拾つかない。これもまた違和感、耳が受け取れる「旋律」は常に一つだと思う。つまり「うたえるもの」を人は聞く。「そのとき」あんまりいらない楽器だってあると思う。そこカラヤンは許さないよね、人がうたうの。俺のうたを聞け!しかし私は第9は1時間を越えないテンポにして欲しかったりするB層。のろいのいやじゃん、集中力持たない。

かっこよすぎるカラヤン(谷川俊太郎・「ベートーヴェン」って詩で)それはカラヤンとベートーヴェンの関係をよく表現してると思う。作曲者の「苦悩」って「そんなところにない」からいつまでも聞いてる人に何かを及ぼすのよ。芸術っていつだって「かっこ悪く」「うまくできない」「うまくいえない」「つまづきやすい」人々の魂の救済。それは共感や感動なんかではない「共振」である。「健全」なひとにはいくらだって楽しいことがあるじゃない、「お友達」と「わいわい」してたっていいしね。犬の動画もあるし、デズニーランドは低すぎてお好みじゃなくても、癒されスポットはたくさん。

「現代のベートーヴェン」(ヒドすぎるなあ)なんかいらない。ベートーヴェンにはピアノ・ソナタだけで32だか34だかあるんだから聞ききれない。

  

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