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病院にて

2月頃に心臓がおかしく(それは多分更年期)一度順天堂病院に行ったが最後、毎度なんかが引っかかり、本日朝9時から4時までずーっといるわけだが、待ち時間にすっかりイタリア語の宿題と読書「資本主義という病」奥村宏著 東洋経済新報社刊、も読んでしまい、そして二度目のご飯を病院下の山の上ホテルで食べているんだが、私の好物の冷やし中華には必ずきゅうりが入っておる。私はきゅうりが唯一の嫌いな食べ物なので、それを抜いてもらうんだが、そうすると彩りの悪い事よ。錦糸卵の黄色、トマトとかにかま(こういうの入れないで欲しいな)の赤だけ、寂しい。

 このあと帰ったら、宝塚の子を一人教える。私は月曜定休日だが、彼女は東京公演に来ていて今月末には帰ってしまうのだが、宝塚は月曜休演日。一昨年から休みで東京に帰ってくる都度集中して見ているけど、とうとう今年デビュー。どんな音大より二期会より、その後舞台が用意されているというのが宝塚のすばらしいところだと思う。私など音大出て30年、二期会出て20年だが、デビュー無し。だらだら店を広げてるって感じだが。商品化されてないこと甚だしい。

 第一可愛いったってそこらにいる可愛い子、というのとはレベルが違うよ。たまにびっくりするような「志願者」が来るので、私はお断りするが、「ヅカなんか逆立ちしたって無理だよ!」を言えるのはお母さんあなただけです。「おまえなんかアホだから本なんか読んでるシマ(ヒマ)あったら手伝いでもしろ、すっとこどっこい」とか言われませんでした?私はバレエを習わせてもらえませんでした。毎週火曜日はバレエ教室の外で張り付いて最後まで見てた。ピアノの音と身体の動きを見ているのが大好きでしたが。それは見ていればいいのであって、やることはなかろう。やらせてもらえない理由は「首が短いから」でした。それって、ソ連の第三体育学校みたいに3代前までにデブがいないか調査みたいな厳しさ(しかし母方のいとこはバレリーナでソ連に留学してたが。帰ってきてからの公演見に行ったら首が長いって事もなかったけど、いとこだし)
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 今日は腹部エコーを取った。その後診察を心臓から内科に移され、再度採血、脂肪肝とのご指摘はよくわかったが(わーったよ、節酒と運動な)脾臓とかいうどこにあるかわからない臓器がダメらしいが、また9月に診察、もう切りが無いので、次回でやめようと思う。人は何かで死ぬんだから、好きなように生きて死ぬだけなので、行き倒れてどこかに運ばれちゃったら仕方ないが、私はもう二度と病気で入院したり手術をしたりする気はない。こうして毎度病気探しをして何になるというのだ。

 病を得る、という良い言葉がある。そこ逆らうと医療費もかかるし、こうやって病院に拘束されるし勘弁である。生きてるとは「死なない」事ではない。

 しかし老人が多いのは病院だから仕方ないが、ちょうど団塊の世代という人々が今やお年寄り、いきなり入り口で職員を叱り飛ばしてる老人(男)あり(元気じゃん)この世代の男って既には年金受給者なのになにか激しい十全感、夜郎自大っぷり。うちにお試しで来ていきなり怒った老人がいたが。テノールでしたっけ?という一言にブチ切れ。事前に「うたは初心者である」とメールで送ってるっていうんだね。一回言ったことは二度は言わない!サムライ魂仕様。

 それと団塊の妻、私が勝手に呼んでる「3号さん」(3号被保険者、妾を2号と呼ぶが、それ以下、いや、一枚うわ手)のなれの果て。何でも自分で確かめず人に聞く、もたもた自分の事ばかり聞く、病院のような公の場で社会性のない行動を取りがちな「お家が世界」だったみなさん。この人たちが「世界の主」を失ってからが長いよー。

 あと必ず何組か見ちゃう、この世代の「団塊夫婦喧嘩」。たいがい夫が切れて叫んでいるが(奥さん無視)わかりますよ、いらいらしますねお互い。でも奥さんいないと病院にも来れない靴下どこだ?おやじとその靴下出すことによって社会補償費払わなかったのにちゃっかりもらってる3号妻。共依存とか言わないで。これぞ「絆」、赤い糸でぐるぐる巻き。何処までも何時までも愚かしく微笑ましいです。みなさん結婚しましょうね。
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 父は70で肝臓で死んだが、そして明日は命日、肝臓で死ぬって、寝付かないで速いからいいわよーと母は言っているが。御年83、いつまで「充実」して「いきいき」と生きなきゃならないんだろう。勘弁してあげてほしい。

 生きていることが死ぬことの「待ち時間」になっちゃいけない。が、それは長すぎたらいけないのか、やることがなくなったらいけないのか、やることがある、と思い込むにも限界があるではないか。

 父が死ぬ1年くらい前にいつものようにひまつぶしだらだら電話がかかってきて、いきなり切ってやろうかと思ったら、押し殺したような声で

 「何の為に生きているかわからない」

というんだね。その真実らしいうめき声が、たぶん私の最後に聞いた父の言葉だと思う。とっとと死んじまえ!と言って切って涙が止まらなかった。良い話で恐縮だが。

 生きるって何だろう?という問いを最後まで発してたバカ野郎だったが、私も同じ事になっており、おまけに同じ病気で死んだらネタだが。

 だいたい、その質疑がおかしいんだよ。「何の為」と「生きる」はくっつけられないのだと思う。「理由」と「実存」はどうやってもくっつけられないから答えもないのさ。そこから20年近くも経つのに、そんなことくらいしかわからないすっとこどっこいな私だが。

 

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